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「大体ツェトラ、なんでお前がこの馬鹿デカい施設の秘密を知っててアタシにはボスは何も教えてくれないんだい?これも【特記秘密事項】とか抜かすわけかい」
「まあ、有り体に、言えば、そうなる」
「……ツレないねぇ」
「そう、言うな。お前は、【回収】だけ、やってくれれば、それでいい」
「へーへー。任せなすって。大金積まれりゃアタシはなんだってやる女さ」
サンドリヨンはそう言って煙草に火を付けた。
煙草嫌いのツェトラには渋い顔をされたが、サンドリヨンは気にかけることも無く煙草を堪能する。
「そうだ、今回は【回収】したこいつは何処に持ってきゃいいんだい?」
思い出した様にサンドリヨンは言った。
言って、肩に掛かったずしりと重みのある黒革の縦長い巨大なバッグを下ろした。
サンドバッグの様なバッグと想像してみると分かりやすいだろう。
しかしそのバッグ、"ファスナーの隙間からは茶色の細い髪の毛が僅かに飛び出し"、"一部は赤黒く変色"している。
言わずもがなだがこのバッグ、死体が中に入っている。
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