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「今回は、私が、預かろう。そのまま、置いていけ。御苦労だった」
ツェトラは淡々と答えた。
サンドリヨンも、割と淡白に生返事をした。
「んじゃ、アタシは帰って寝るかね。明日はデッド・スラムで一博打うつつもりだし」
「そうか、勝つと、いいな」
「おう」
「……それと、次の【回収】の、日時は、翌月の21日だ。よろしく、頼む」
サンドリヨンは頷いた。
頷いて、小首を傾げて言った。
「あのさ、一つ聞くけどこんな小娘に本当にこれだけの施設を用意して技術と労力と金をつぎ込む商業価値があるのかい?」
言って、サンドリヨンは足元の死体詰めのバッグを軽く蹴った。
「疑問は、持つな。深く、突っ込むな。突っ込まず、全てを割り切れ。それが、裏の世界の、ルールというやつだ」
ツェトラは、ただただ淡々と告げる。
「なら、一つだけ教えてはくれないかい?」
サンドリヨンは言った。
その顔に、表情は無い。
「アタシは……
---あと何回椎名瑞希を殺せばいいんだい?」
そう言って、サンドリヨンは足元のバッグを見下ろした。
ツェトラは、何も喋らない。
「それも【特記秘密事項】ってわけかい。……まあいいさね。仕事があるのはアタシにとってもいいことだ。……邪魔したね」
サンドリヨンはそう言って、踵を返して去って行った。
《to be continue》
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