この距離で…

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眼鏡と服を持って戻ってみると、やっと電話から解放されたらしい相手は立ったまま髪を乾かしていて。 「ほら…」 学生の頃から使っているドライヤーの音の中で眼鏡を持ち主に返せば、薄い唇が「ありがとう」と動くのを「ん…」と無愛想に答えたのは、目のやり場に困ったからだ。 ◇◇◇ .
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