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叔父さんは美香の頭を撫でながらゆっくりとした口調で話し始めた。
美香にとってこの時間ほど長く感じた時間はなかったと思う。
叔父さんは美香の美しく腰まで伸びたストレートの黒髪を優しく撫でながら、
【怒らないから正直に答えて欲しいのだが美香ちゃん、出来るか?】
美香は不安と少しの恐怖、そして僅かな期待に埋まりそうになりながら小さく頷いた。
【美香ちゃんは、今回の事はやる気でやったのか?】
美香は頭を激しく振りながら
【違います。それだけは信じて下さい。】
と、はんべそかきながら訴えるように返事をした。
【では、なんであんな事を…?】
【お金が…お金が欲しかった…】
【? 】
【この仕事はいつまで出来るか分からない。それに、指名がないと生活も出来ない。かと言って他の仕事したくても風俗やっていた人間を使ってくれる所はないんです。だから、今は少しでも蓄えが欲しかった。そんな時、叔父さんの財布見たら御札が沢山入っていた。一枚だけならすぐには分からないだろうと…】
美香は泣きながら続けた。
【最初から叔父さんの財布を狙っていたんではないのだけは、それだけは信じて下さい。】
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