社長とデリヘル

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美香は無意識のうちに財布を手にするとこれまた無意識のうちに中から一万円札を手にしていた。 【一万円…】 美香は呟いた。 【これだけあれば…】 【暫くお小遣い足りるかな?】 美香の後ろで叔父さんが話し掛けた。 いつの間にかパンツ一枚の叔父さんが立っていた。 【ハッ!!】 美香は全身から血の気が引くのを感じて体が硬直した。後ろを振り返る勇気は美香にはなかった。 【ブランドのバックは買えないね。】 俺はそう問いかけた。 【!…!…】 【美香ちゃん】 【… …】 【美香ちゃん、お返事は?】 【御免なさい、御免なさい。】 美香は振り返りながら壁の方に後退りして壁にもたれかかりその場にうずくまって泣き出した。 【御免なさい、本当に御免なさい。】 泣きながら謝った。 自分はなんて馬鹿な事をしたのだろう? 【美香ちゃん!】 【御免なさい。】 会話になってない…(笑) 【美香ちゃん、お返事して顔を上げなさい。】 美香は泣きながらゆっくりと顔を上げた。恐らく阿修羅の顔をした叔父さんがいるはず。 その後は自分はどうなるのだろうか? 弱味を握られたからこれから先、本番を強要されて過ごすのだろうか? どんな辱しめを受けるのだろう? 或いは事務所に通報されて首かな? 色んな思いが頭をよぎる。 【美香ちゃん、立ってこちらに来なさい。】 顔を上げた美香はまたまた目が点になった。そこには怒っているとは思えない叔父さんがいた。 美香はゆっくりと立ち上がり叔父さんが指差したソファーに腰をかけた。 【御免なさい。出来心で…】 そこまで言うと叔父さんは言葉を遮った。 【これをまず飲みなさい。】 それはお酒だった。 美香はお酒は飲めないが今はそんな事を言っている場合ではなかった。 お猪口に少しの酒を飲み干すと体が熱くなり、気持ちが静まった。 【落ち着いたかな?】 叔父さんはゆっくりと隣に座り語り始めた。
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