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それが繰り返されると僕は思っていた。
だけれども。
一回だけ彼女との季節が通り過ぎ、僕の中では日常化した日課。
それが始まったのは突然で。
きっかけは忘れてしまった。
覚えてるのは熱い吐息と、水の音。
目眩がするくらいの快感。
気が付けば僕は過ちを犯していた。
その過ちはもう二度と戻れない甘い過ちは。
おぞましいくらいの甘い声。
彼女の悩ましい柔らかいソプラノ。
狂いそうになる。
いや、もう、狂っていた。
「もも、もも、もも、もも」
僕の声に彼女は快楽に溺れる。
気が付けば僕は劣情を吐き出していた。
僕の興奮した吐息を聞きながら、彼女も達していたのだろう。
息が荒い。お互いに。
「もも……」
自分の声が切な気に聞こえる。
彼女は気だるげに、なんですか? と言う。
「よかった? もも……」
僕の問いに恥ずかしげに答える彼女。
「はい、すごく……」
吐息混じりのその声にまた、僕自身が固くなる。
「■■■さんは? 」
甘いソプラノに誘われて、劣情に負けたことを伝える。
彼女は嬉しそうに喉を鳴らして笑うと、また、水の音を響かせる。
「こんなになったの……ハジメテ……」
囁くような口調。無邪気ではしゃぐような普段の口調から想像は出来ない。
淑やかで、それでいて、淫らさを秘めている。
「■■■さん……逢いたい……です 」
僕の言葉責めに興奮したのか、彼女は冷静な判断を下せなくなっていた。
それもそのはず。
北海道と東京だ。
そう易々と逢える距離ではない。
それでも、彼女は欲した。
狂おしいくらいに甘やかな、禁断の果実。
僕もそうだった
欲しい。
彼女の熟れた果実が。
喉が、身体が欲してる。
でも、行けるわけない。
働きもしない自分が、遠い地、北海道へなど。
行ける訳もないのだ。
それでも、妄想と夢は別だ。
逢えばどんな行為をするのか。
その時、お互いはどうなるのか。
欲し合えば、男と女のする蜜な行為に発展するだろう。
求め合う、狂おしいくらいに。
彼女は恥じらいながら興奮していた。
年相応の興味。
遠い地にいる僕への憧憬。
身体の本能。
何度も繰り返される妄想は飽きることなどなかった。
いつしか、僕は逢いたい想いと逢いたくない想いがカクテルのようにミックスされ、自分でも解らなくなってきていた。
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