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僕はココアしか信じないことにした。 僕には恋も結婚も人並みな幸せを得る資格などないと思っていたから。 ももこがそれでも僕にすがる。 うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい。 もう、鬱陶しい。 だから、僕は彼女に言った。 「僕にもう関わらないで? 普通じゃないよ、君は。」 残酷で最低で冷徹な。 コトノハ。 それを機に、彼女はチャットに来ても僕に話しかけなくなった。 壊れたように楽しそうに振る舞い。 僕とのことをなかったかのようにしようとしてるようで。 見ていて憐れだと思った。 そして、本当に彼女は狂って逝く。 まるで、羽根をもがれた小鳥のように。 地べたを這いずり回るように。 堕ちた人間を。 僕は初めて見た。 彼女は何を思ったのか。 ある時、突然、自分のアドレスと番号を晒した。 このチャットは連絡先交換の規制が厳しく、理由もないアルファベットの羅列やアドレスらしきURLには厳しい。 もし、晒したらアクセス制限対象内となり、そこにはもうアクセスなどできなくなる。 「〇〇〇〇〇.◇◇◇◇◇.〇〇〇〇〇〇.〇〇.◆◆ 〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇」 なんの告知もなく。 アドレスと番号を晒すももこ。 それから、数分経って、強制的にログが消される。 そして、出た赤い警告の文字。 IPアドレス指名のアクセス制限の執行。 心地好くサイトをご利用いただくためのサービスです。今後とも皆様のご協力とご理解により――― 変わらない。 何も変わらない。 ZAN「ここを強制的にやめるには良い手です」 ポツリ、漏らした発言。 それに対し様々な意見を発するみんな。 僕は無言。 ZAN「■■はどう思ってるのでしょうか? 」 その字面は無機質なはずなのにどこか怒ってるように見えて。 僕は言葉を失う。 ココア「ZANちゃん、■■くんに振ることはないんぢゃないの? アノコが勝手にしたことなんだから 」 ココアはその言葉の後に、腹いせだよ、と怒りマークをつける。 だが、ZANは、そんなココアの発言を無視して再度投げ掛ける。 言葉を。 だから、僕は無視した。 わからない。 本当にわからない。 ももこが何をしたいのか。 ZAN「だんまりですか? そんなんだから、ももこさんも愛想をつかしたんと違いますか?」 独り言のように続けるZANの言葉。
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