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「ダメ、許さない」
僕はももこの腕を取って、台所ではなく布団の方へ引きずるようにして歩かせた。
「■■さん? 」
「お仕置きしなきゃいけないね?」
もう、何年も芽生えてなかった猟奇的な感情。
冷たい水が一気に沸騰するような。
僕は彼女を押し倒し、その頬をもう一度打った。
パシン。
また、乾いた音。
パシン。パシン。パシン。パシン。パシン。パシン。パシン。パシン。パシン。
何度も頬を打ちながら僕自身が硬くなるのを感じる。
抵抗も何もせず絶対的支配下に置かれて、歓びすら感じているであろうももこを
もっと傷つけたくて。
頬に飽き、今度は胸、腹、そして、背中。
打つごとに悲鳴が変わる。
許しを乞いながらもっともっとと求める。
白い肌が赤くかわる。
それすらも苛立ちを起こさせた。
「いけない子だ、本当に。ももは悪い子だ。」
八歳下のももこを躾けるように何度も手を上げる。
その内、悲鳴すら上げなくなり聞こえるのは荒く甘い吐息。
「許してぇ。お願い、許してください……」
痛みと快楽の狭間に溺れ、稿をも掴みたいであろう。
だが、その稿は麻薬が交じった恐ろしい罠。
痺れて落ちていくしかなくなる。
僕はももこの背中を何度も叩きながら、次はどうしようか考えた。
ももこが嫌がる最も相応しい罰。
あ……。
一つだけあった。
ももこが嫌がるもの。
「もも、TAKERUに抱かれたとき気持ち良かった? 」
彼女は否定した。でも、悲鳴の中に快楽を求めた嬌声が交じっていたのを僕は知っている。
「ふぅん。じゃあ、なんで、イッたの? 」
ゲスな問い。案の定、ももは言葉を詰まらせる。
僕はももこを仰向けにさせ、鎖骨や胸に付いている赤黒い印を指でなぞる。
甘い声を抑えるかのように目を閉じるももこ。
「こんなにアトつけられて、感じなかったわけないよね? 痛いくらいに愛されてイカなかったわけないよね? 」
その言葉にももは泣きそうな顔をする。
だから、僕は追い打ちをかけた。
「汚いよ、もも。僕以外に抱かれるなんて汚い」
それは彼女にとっては残酷な言葉。
僕は笑いながらささやいた。
「君の罰が決まった」
「なるべく、僕は君を抱かない」
「愛してあげない」
言葉をこぼす。そのたびに涙をこぼす。
「それが君の罰」
誓いの印をつけよう。
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