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パソコンのキーを打ちながら僕は考えていた。
どうしたら、あの子にもっと痛みを与えられるだろうか?
とあるサイトで知り合った僕と彼女。
彼女は豚のような容姿の僕に夢中になった。
ただ、優しい言葉をかけただけなのに。
彼女が望むであろう言葉をかけたら、尻尾をふって喜んだ。
初めてだったの。そんなこと言ってくれる人。
素直で無垢な彼女はいつしか、僕に好意を寄せてくれるようになった。
今も彼女は僕の傍で無防備な寝顔を晒している。
規則的な寝息をBGMに、ワードに文字を打ち込む。
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ。
キーを叩く音、彼女の寝息、時折、誰かが階段を上ってくる音。
静謐とまではいかないこの雰囲気が丁度良かった。
生きているという実感が湧くから。
「んー……」
寝返りを打ちながら彼女はモゾモゾと動く。
薄く短い布団からはみ出る彼女の程好い肉付きのある足。その布団の下には脂の乗ったふくよかな肉体。
僕は、彼女を起こさぬよう近づいてそっと頬に触れた。
弾力ある肌触りに夢中になりそうになる。
「うにゃ? 」
頬を悪戯していると目が覚めてしまった。
眠気眼で僕を見る。
その表情は邪心などこれっぽちもなかった。
見ようによっては、年齢不相応な幼さを感じるだろう。
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