1

8/13
前へ
/34ページ
次へ
甘やかす、今回も、徹底的に。 甘い余韻が残るのを名残惜しそうなもどかしそうな表情で。 「もっと……? 」 あぁ。 どうして、彼女は。 自分のこんな おぞましい声を。 好きと言うのか。 「いいよ? さっきのご褒美だ 」 噛んで聞かせるようなゆっくりとした口調。 甘ったるい雰囲気に流されてしまう。 嬉しそうな表情をする。 「だけど、これ以上はダメだからね? 」 その言葉に彼女は切なそうに喘ぐ。 「……えっ」 お預けを食らった牝犬。例えるなら、チワワか。 「もも? いいよね? 」 ダメとは言えないだろう。彼女の立場では。 ももは、こくり、と頷いた。 だから、僕はまた、ご褒美を再開する。 指先を白い肌に滑らせる。 火傷の痕を通るとき、少しクリクリと動かしてみる。 甘い声は洩らさないが、ただ、辛そうで切なそうに、眉を寄せた。 主に上半身、性的な快感を与える場所には触れないが、それ以外には触れていた。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加