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「……っ………」
辛そうな表情は我慢してるからだろう。
自分の中にある劣情に。
気づかないふりをするために。
「もも? どうしたの? 辛いならやめるよ? 」
僕の言葉にピクリと眉を動かす。
指先が離れるのを見ると、イヤイヤと首をふる。
僕はわざと困ったような顔をしながら、また、肌に指を滑らせる。
「これがほしいの? もも 」
甘く響く声。その淫靡さに僕は頭がクラクラしそうになる。
「欲しい……ですぅ……」
どこかの売女のように。
目を潤ませ、僕を見る。
過ちをまた、犯すのか。
いや、ダメだ。
僕は理性と本能が戦うのを感じながら指先を肌と遊ばせる。
白い肌に鮮やかな朱い痕。
「あぁ。許して……」
焦らしは時に罰となるのか。
彼女の表情はだらしなくゆるみきっていた。
身体をくねらせながら僕を誘う。
「……止めて欲しいの? 」
意地悪な問いと知りつつ、僕は聞く。
案の定、彼女は首をふった。
「何してほしいの? 」
あぁ、もう、僕は与えてしまうのか。
また、彼女の身体を蹂躙し、僕だけの印をつけ、惰眠を貪るのか。
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