不機嫌なネコ 幸子

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午前中は会社に向かうサラリーマンやOL 学校へと向かう 見慣れた制服の学生たちを眺める 買い物に向かう主婦たちは それからしばらく後 マダムたちの噂話は よくは聞こえないけれど お洒落なお召し物に見惚れてみる 夕方、仕事や部活を終えた人々が 帰路につくのを見守って 日がすっかり落ちた後 貴方がやっと帰ってくる 玄関近くの全身鏡の前で 幸子は滑らかに回ってみせる 見慣れた自分のカラダ 玄関扉が開いて 現れた飼い主に 幸子は不機嫌に鳴いた 「ニ゛ー…」 (どうして私はネコなの…?)
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