不機嫌なネコ 幸子
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浩二が帰ってくれば 部屋中においしい匂いが拡がる。 浩二はとても器用。 料理が上手だ。 湯気のたつお皿をテーブルにセットして 私を見る。 少しだけ微笑んでキッチンに戻ると 手際良くネコ缶を 私のお皿にあけるのだ。 私はそれをソファで待つ。 あなたとの至福の時間。 窓の外の風景よりも ドラマチックなこの時間。 幸福な毎日をくれる そんな浩二がひどく嫌いだ。
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