一章

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俺の名前はヒューゴ・アスベル。新米の冒険家だ。 突然だがなぜこうなった? 目の前に黒いローブを着た男が俺を守るように背を向けて立っている。 「小僧、大丈夫か?どうやら新米冒険家みいだが、そんなヘロヘロじゃあすぐに死んじまうぜ?」 こちらに顔だけ向けた口の悪い男はニヤリと笑うと対峙している者達に目を向ける。 「さあ、モンスターども、俺に喧嘩売った事をあの世で後悔でもするんだなぁ?」 そう言うと男は僅かに前屈みになり、爆発的加速で前に突き進む。 先頭にいたモンスターの首をもぎ取り、その頭を後ろにいたモンスターの頭に投げつけると当たった部分が吹き飛ぶ。 これ以上は見ていられなかった俺は目を背けた。 それから数分後には何も音がしなくなった。 「小僧、もう見てもいいぞ。」 男の声が聞こえ恐る恐る目をあけるとあたり一面が血で真っ赤になっていた。 もう一度言おう、なぜこうなった。 あれは確か俺が冒険家を始めて初のクエストを受けた時だったかな。
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