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幸いにも親父が、金と家を残してくれたおかげでなんとかなったが、俺も親父の背中を追うように冒険家になった。
今思えば俺は親父の仇を取りたかっただけなのかもしれない。
親父の残してくれた金はそのまま路銀にして、装備を買う金は日雇いの仕事で稼いだ。
先日やっと装備を整えた俺はギルドへと向かっているわけだ。
ギルドに着いた俺は建て付けの悪いドアを開ける。
中には受け付けの女の人以外だれもいない。
受け付けの女性はこちらに気がつくとにこやかに笑いながら話しかけてきた。
「いらっしゃい、ヒューゴ。その様子だとやっと冒険家になりに来たみたいね。」
「あぁ、やっとだよアンナ姉さん。」
受け付けの女性はアンナ・リュフォン。
この女性とは顔なじみで親父のいなくなった俺を心配してちょくちょく家を見に来てくれている。俺を弟のように可愛がってくれた。だから、俺もアンナ姉さんと親しみをを込めてよんでいる。
「さあ、この契約書にサインをしてちょうだい。」
出された紙に名前を書こうと紙をみると・・・
「アンナ姉さん、これ婚姻届だよね?」
引きつった笑みで見上げると、そこにはとても良い笑顔をしたアンナ姉さんがいた。
「えぇ、それは婚姻届よ?後はヒューゴの名前を入れれば私達は夫婦ねっ。」
そう言うとアンナ姉さんはクネクネと悶え始めた。
「・・・・・・はぁ、アンナ姉さん。」
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