一章

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「おいおい、勘弁してくれよ・・・今急いでんのによ。」 俺はヌシを担ぎ直すと右手で左腰にあるロングソードを抜く。 だが元々筋力のある男が片手で使うように設計された剣だ。とてもじゃないが、俺が片手でなんて使えるような代物ではない。 今はそんな泣き言を言っている隙は無い。事態は一刻を争うのだ。 「悪いが押し通る!」 剣を強く握りしめ、今来た走り出す。 ヒューゴのいきなりの行動にウルフ型のモンスターは怯むがすぐに体制を立て直しこちらに飛びかかって来た。 「こいつっ!あまり嘗めるなよ!?」 迫り来る爪を剣の腹で滑らせて受け流しながらそのままウルフ型のモンスターの腹を斬りつける。 肉を引き裂く感覚を手で確かめながら独楽のように回転し後ろから来ていたウルフ型のモンスターの目を潰す。 2体の仲間がやられたのもきにもとめず他のウルフ型のモンスターは突っ込んでくる。 最初はなんとか剣で弾いたり、受け流していたが体力が持たずに体がぶれた所を攻撃され弾き飛ばされてしまう。 なんとかヌシは庇えた代償に木の幹に背中をぶつけて動けなくなってしまった。 「っつ!?いってぇ・・・・・・」 ぶつかった拍子に剣は近くの地面に転がっていて身を守る物が何もない。 その事を理解したのかは分からないがウルフ型のモンスターはジリジリとにじり寄り一匹がこちらめがけ牙を突き立てる。
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