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梓がカレーをコトコト煮込んでいる間、リビングの椅子に座って待っていた。
「ごめんね!お待たせ…じゃあ行こっか」
エプロンを外して、綺麗に折り畳む。それをテーブルの上に置いてから桃山荘の案内をしてくれた
「まず、玄関。ここはわかるよね」
梓が案内してくれたのは入り口…玄関だ。俺と梓の靴だけが置いてある。今は二人しかいないから当たり前だ…。たぶん二足くらいはあるだろうけど、玄関にある靴箱に収納しているのだろう
続いて、玄関から左側のドアが、先程のリビング。じゃなくて右側。
「翔ちゃん。こっちね。玄関から右側に進むとトイレがあります。ここは皆が共有して使うので清潔にね…絶対汚さないでよ!」
「わ、わかってるって…お、落ち着けって…」
顔を近づけてくるので肩を押して元に戻す。
「そして、トイレの右側のドアをくぐると、脱衣場があります。ここで私達は服を脱いでお風呂に入ります!……どう?想像しちゃった?」
「してないとは…いえない」
「やっぱり、男の人って興味あるんだ…女の子の裸に」
話が逸れてきている。てか梓ってこんな子だったっけ?
「………触りたいなら………触ってもいいんだ…よ?」
顔を赤らめて言う梓。幼なじみでよく知っている梓だけど、ドキドキする
「…………嘘だよ。えへへ……。気を取り直して…脱衣場から繋がってるのがここ大浴場ね。広いのが特徴です!」
にっこりと笑って誤魔化す。自分でも恥ずかしくなって、笑って誤魔化したんだろう
「年上をからかうんじゃない!」
「はーい。で、お風呂はオッケーだね?じゃあ次」
脱衣場をでて再び玄関の所まで行く
「翔ちゃん!ここから重要だからね!」
「お、おう」
梓がさっきまでと違い、顔が本気になった
「玄関から左にも右にも曲がらずに真っ直ぐ突き進んで、一番奥まで行き右側を向くとドアがあります。さっき行ったから分かるよね」
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