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俺が武具を買い付ける鍛冶屋兼武器防具屋は街の大通りに店を構えている。
日本語が話せるスタッフも居たため、殆ど店の構えで決めてしまった。
実は路地裏に伝説的な鍛冶屋がいるなんて事は期待してないし、望んでもいない。
伝説的な鍛冶屋が何で路地裏で店を開かなきゃいけないんだ?
腕が良いなら客が集まってもっと良い場所に店出せるだろ。
パッと考えられるのは四つの理由。
一つ目は、店主が客を選ぶ経営者失格なタイプ。
この場合だと、俺達が選ばれた客になれる可能性がほぼ無いのでアウト。
二つ目は、武器を作るのにやたら時間をかける凝り性な職人タイプ。
この場合だと、さっさと訓練しなくてはいけない俺達の状況にそぐわないからアウト。
三つ目は、法外な値段を吹っ掛けてくる強欲店主なタイプ。
財布事情が寂しい俺達に合わないからアウト。
四つ目は、そんな職人いないってオチ。
いないなら買い物も出来ないからアウト。
以上四つの理由から、俺はわざわざいるか分からない伝説的な鍛冶屋を探す気にはならなかった。
そもそも、別に俺達に伝説の装備なんか要らない。
別に巨人やドラゴンを殺しに行くんじゃない。
人を殺せればいいんだ。
そんな風に考えていけば、俺が選んだ店は実に丁度いい。
立地や店構えの大きさから考えて、人気はある武具屋の様だし、売っている物も簡素で下手なこだわりを感じない。
Simple is the best.
素人でもそれぐらいは分かる。
いや、素人だからこそ余計な物を削いだ考え方が出来るのかもしれない。
扱いやすさが第一条件になるからな。
また、簡素な物ほど作った人間の技術が分かりやすく伝わってくる。
この店はどれも堅実さが見て取れるのだ。
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