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「輝いてただろ?」
「輝いてましたよ」
作業中の草薙は輝いてたらしい。
でも神田、スパイスの調合を嬉々としてする今のお前も輝いてるぞ。
「そうだ。
神田君ってジンギスカンのタレとか作れたりする?」
「出来ますよ!
言ってくれれば、どこの店のタレでも完璧に再現する自信が有ります」
おおっ、あんまり近付かないでくれるかな。
隣にいる神田君の熱気は凄いけど、その体格も有って…………暑苦しい。
「羊もこっち来てるっぽくてさ。
買った羊は店でバラして貰えるんだって。
値段は張るだろうけど、年越しとかイベントの時に食いたいと思ってさ」
「俺、マトンが好きです」
「俺はラム派だな~~」
マトンとは、生後大体二年ぐらいの羊から取れる肉の事。
ラム肉とは、生後一年未満の羊から取れる肉を指す。
俺的にはクセが無くて柔らかいラムが好きなんだけど、神田君はマトン派か~~。
「マトンは臭いって言う人もいますけど、あれは鮮度管理が難しい時代の話で、冷凍技術が発達した今の地球とかバラして早い内に食べれるなら、本来の旨味が味わえるんですよ。
ラムに比べればクセは有ります。
でも、僕から言わせればラムの方にクセが無さすぎるんです。
そもそも料理と言うのは、クセを含めた食材本来の味を楽しめる物じゃないといけませんよ。
何で出来てるか分からない様な味の料理なんて食べたくないでしょう?」
うんちく語り出したよ。
しまった~~。
こいつは料理マニア…………いや、食事マニアだったか。
草薙の時に気を付けたんだから、こいつにも気を付けなきゃいけなかったんだ。
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