王でもなく、将でもなく

働きたくない

「まぁ、先ずは俺が今日会ってきた奥様から仕事を紹介してもらわないとな」

このままじり貧の生活をしていても、今の話は現実にはならない。

就職して金稼がなきゃ生きてもいけないのだ。

やだやだ。

魔法の有る世界でつまらない現実を見なきゃいけないなんて、泣きたくなるよ。

「朝比奈さん、こっちに来てからちゃんと周りのために働いてますよね」

「マジ？
悪いけど、俺には結衣がいるから桜井さんとは付き合えないよ？」

「何でそうなるんですか？
安心してください。
朝比奈さんみたいな人はタイプじゃないんで」

あっそ。

全然本気じゃなかったけど、そこまであっさりだとちょっと悲しいかも。

本気にされても困るけど。

「まっ、流石に俺も少しはやる事やるさ。
結衣に会うまで死ねないしな」

仕方無いから手は打つよ。

でもな～～。

やっぱりな～～。

働きたくない。

働きたくないな～～。