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死ぬ気で頑張るぞと言っても、死ぬ気で頑張るのはやる気を奮い立たせるまで。
なけなしのやる気を奮い立たせるのは死ぬ気が必要なんだ。
俺もこいつもな。
「俺もこんなすぐバレる様にサボって金貰うわけにはいかないし、お前だって無駄飯食いっぱなしじゃまずいだろ」
別にサボって金貰うのも、バレないなら選択肢として有りだと思うよ。
ただ、俺がサボるとウラヌスがずっと馬小屋でだらける事になる。
バレるよな?
バレたら奥様の機嫌を損なえない俺にはマイナスだ。
ウラヌスだって、いくらご子息の馬だったからってずっと怠けっぱなしじゃ、どうなるか分からないよ。
まぁ、爺さん達の遺産を食い潰そうとしてた俺が言えた義理でもないけどな。
「今日は外に行こう。
でも、その前に一回俺んち行くぞ」
ウラヌスを撫でながら言うと、こいつは前回より早く立ち上がった。
良い傾向だ。
無視しても無駄と分かってくれれば、手間がかからないで助かる。
それに、ユニコーンだって動物だ。
自分より立場が上だと分かった相手にはそうそう強情にもならないだろう。
あっ、相手の立場に弱いのは寧ろ人間の方か。
まぁ、今はどうでもいいか。
俺はウラヌスに馬具を着せ、手綱を引いて外に出し、鐙を踏み台にして鞍に腰掛けた。
あくびすんなよ。
「そんじゃ、街中ぐらいはのんびり行きますか」
交通事故には気を付けないとね。
裏門から道路に出て、往来のど真ん中を行かせていただきましょうや。
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