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「君達はしばらくは協会の保護下で生活をしながら職に就き、やがては自立して税を納めていってもらう。
支度金はこちらから出そう」
「仕事か~~」
「ニートに優しい世界なんて無いって事ですよ」
「寂しいな~~」
まるで心が読まれた様だった。
あぁ、やだやだ。
とほほ…………異世界に来てまで現実が付きまとうとは。
「俺、生まれ変わったら寝てるだけでお金が貰える世界に生まれ変わりたいよ」
「だったら、先ずはこの世界を生き抜け」
「うん……………頑張る」
どこかに惰眠を貪れば金が貰える世界は無いだろうか?
是非とも行きたいものだ。
「そして、ここが君達のこれからの住まいだ」
案内が終わり、俺達全員の足が止まる。
何か広い土地の前みたいだけど、街灯が切れて殆ど真っ暗だから見えない。
「草薙君、水と反対側のポケットにマグライト入ってるからPlease」
「何でこんな長いのを」
「男子は長物好きじゃん」
43cmも有る俺の懐中電灯。
海外の輸入品で単一電池を五つも食う。
その分明るさは抜群で、暗闇を容易に照らす。
他のメンバーが出した懐中電灯と共にオンボロ屋敷を暗闇から浮かび上がらせた。
「去年まで協会本部として使っていた建物で、取り壊す前の使い道を模索している最中でね」
俺達に宛がわれたのは、旧協会本部。
草ぼうぼうの前庭の奥に建つそれは、正に幽霊屋敷。
崩れないかな?
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