二杯目 ~学校の式典での教師の話の長さについてのソレ~

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「しっかし要約するとその程度の内容なのに、わざわざ10分も話す必要あるのか?」 「琉は一方的に話されるのが嫌いだからな」 「あぁせめて合いの手くらい入れたい」 「校長の話にか!?」 「もしかしたら大事なことろをはぐらかす事で文への読解力を強めようとしているのかもしれないな」 「急に真面目になるな。というか最後に全部言っちゃってるだろ」 「尚更前置きが意味不明だな」 「まぁ式典なんかでは必ずお偉いさんが何か言うようになってるからな」 「あれがわからん。よくさ、なんかの試合とかでもおっさんがグダグダ言ってんじゃん?別に選手でもないようなやつの話しなんざ聞きたくないってのって感じなんだが」 「おっさんいうな。おばさんかもしれないだろ。確かに、上から高みの見物決め込んでるような奴らにあーだこーだと言われたくないよな」 「それそれ。一番ムカつくのは中3の時の学年主任の言葉」 「あーそれわかる。すごくわかるぞ。要約したら勉強しろってことだからな」 「そうそう。勉強しろくらい言われなくてもわかってるっつーの」 「それでも結果を要求してくる」 「そうなんだよなぁ。努力と結果はワンセットじゃねぇっつの。努力事態が結界だろうが」 「琉はその言葉好きだよな。努力が結果」 「だってそうだろう?アイツら明らか無茶言ってんじゃん。努力しろっていう奴らは大半が努力したことねーやつだぜ。いや、本人は努力したと思ってるんだろうから尚更タチが悪い」 「どういうことだ?」 「出来る奴は100%できるんだよ。できねーやつはできねーのさ。だから努力するんだよ。それでも100%にならないから努力なのさ」 「なるようにしかならない?」 「ていうより”ならないようにならない”だな。最初にできないってなったらどうやってもできないからは抜け出せねーのさ。80%位ならできるに近づけるだろうけどな」 「結構高いな」 「数字上じゃな。現実じゃ低いほうだよ。なにせ5回やったら1回失敗するんだから」
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