二杯目 ~学校の式典での教師の話の長さについてのソレ~

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「なるほどなぁ・・・しかしそう考えると努力するのが嫌になるだろう?」 「そうでもねぇさ。だってそれが努力なんだから」 「うん?」 「努力って努める力って書くんだぜ?んで、努めるってのは力を尽くすって意味なんだよ」 「ほう。つまり力を尽くすことに力を出す。それが努力と?」 「そういうこと。まぁ概念論だからどうにもこうにもならないけどな」 「そっか。それにしても琉とこういう話をするとはなぁ・・・」 「意外か?」 「いや、琉の考え方の一部を知れて嬉しいが。なんというか不思議な感覚だ」 「僕は自分の考えを前に出すのが嫌なんだよ。行って次の言葉は変わってるね、だ」 「ふふん。まぁ今ので琉の嫌いな言葉が”死力”なのかわかったよ」 「答え合わせをしよう」 「いいだろう。死力、つまり死ぬ力な訳だ。力を尽くすことに力を出すのに死んでしまっては意味がないということだろう?」 「正解。流石姉ちゃんよくわかってる」 「愛しき弟のことだぞ?わかって当然だ」 「あぁ僕も姉ちゃんは大好きだよ」 「まったく、照れるじゃないか」 「あぁだが愛はそこにないからな」 「愛がなければスーパーヒーローじゃないんだぞ?」 「キン○マンか?わかりづらいんだよ」 「それでもわかってくれてるじゃないか」 「そら、姉ちゃんのことだからな。大好きな姉ちゃんのことだぜ?知らないわけないだろ」 「ところでその概念だと大好きと愛してるの差はなんだ」 「簡単だ。酔ってるか酔ってないか。僕は酔ってねぇよ。だから大好きなのさ」 「愛に酔う、か。古い言い回しだな」 「るっさい」
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