二杯目 ~学校の式典での教師の話の長さについてのソレ~

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「しかし愛に酔うか・・・琉にとって愛に酔うとはなんだ?」 「愛に目がくらんでんのさ。簡単にいえば恋に恋するって奴だ」 「なるほど。しかしわからん。ちょっと理解が追いつかない」 「えーっとだ。愛ってのは今のその人なんだよ。大好きってのはずっとその人なんだよ」 「へー。私は逆だと思ってた」 「なんでだよ愛には人がいねぇじゃん。大好きには人がいるだろ」 「あぁ確かに。ちゃんと女子がいるな」 「そ。愛は一過性なのさ」 「そうなると愛情というのは辛いな。一過性の情けだろ?」 「そうだなーでも愛には心があるからな」 「心をとるか人をとるか?で、琉は人だと」 「まぁな。でも僕はそのいっこ向こう側だからな」 「ほぉ。なんだ言ってみろ」 「恋」 「お、おぉ・・・」 「違いわかってねぇだろ」 「う、うん。解説して?」 「恋の上の部分ってさ縮めて書いたら人人ってならないか?」 「3画目から6画目までをか?確かにそう見えないでもないな」 「僕は”ねべぶた”って上っていうとこから来てると思ってるんだ」 「上?空か」 「そ、空のしたにふたりっきり。でも心は一つってね。そうなりたいから恋してるのさ」 「恥ずかしいことを言ってくれる」 「言わせたのは姉ちゃんだぜ?」 「なるほど違いない。恋しいぞ、琉」 「僕も恋しいぜ、姉ちゃん」
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