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【---終わりだ、約束された勝利の剣】
もう一度あの光が私たちを呑み込もうとしたが、
「君の通りにはならなかったりー」
光と私たちの間に半透明な壁が現れ、光を塞き止めた。
【---君は】
「うぅーん、やはり君は量子化すべきだったねぇ・・・」
「なっ・・・籠皇様!?」
宙に浮いた、銀髪の青年は、眠たそうに欠伸をしていた。
「何故僕がここに居るかは後にして・・・元界神将」
【---何かな、データだけの虚な存在】
色々と吹き飛び過ぎて、私には理解できないが、どうやら逃げるチャンスのようだ。
「・・・済まない!」
私は五階から飛び降りた。
一刻も早くあいつからは逃げるべき、そう判断したためだ。そう、バレンタインのチョコよりも、だ。
風の身体強化で着地し、その場から走り去る。クラウは身体強化せずに悠々と着地した。
「アリサ、クラウ!」
向こうの屋根にいたのだろうキリタニとプルートが此方を見つけて飛んできた。
「二人とも無事か!?」
「私は大丈夫だ」
「私も同じく。じゃが、中に籠皇が居る」
そうか、と言って安堵するキリタニ。
「俺もあいつとはけりを付けなきゃいけない」
拳銃と小刀を持って向かおうとするキリタニに、一人が立ち塞がった。
「貴公はこの世界に何を求める?」
そいつは私に向けて目を開いた。
勾玉が三つあり、そして赤い。
目に引き込まれるように私は意識を吸い取られていった。
sideend
本編に続く
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