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「実はさ、健ちゃん、
沙希の写メ見てから、お気に入りなんだよね。ちょっと付き合ってあげてよ。」
お願い!
と、顔の前で手を合わせて片目をつぶる朋美。
そこまでされたら、断れないじゃん…
なんだかなぁ…
そんな沙希の様子を、まるでなかったかのように、一人ご機嫌な健太。
「じゃあ 少しだけ出かけてくるね。朋美は来ないの?」
多分、来ないだろうと思いつつ、声をかけてみるが、やはり、
「うん。行ってらっしゃ~い。」
との声が返ってきた。
すると、いつの間にか上着も着て、財布も用意する健太。
おまっ!
用意早すぎ!
はぁぁぁ しょうがない……
気づかれないよう、小さく息を吐き立ち上がる。
なんか、朋美って、
こんな押しが強かったっけ?
もう、十年以上付き合ってるけど、本気で好きな人が出来ると、
人って変わるのかな?
「お酒、 何飲みますか?
どこ、行きますか?」
どこって、どこでもいいけど、
そんな洒落た店いってもしょうがないでしょうが…
「近くに行きつけの
居酒屋さんとかないの?」
「あ~ そうすっね。
じゃあ、駅前の一番屋行きますか」
はいはい、 どこでもいいですよ。
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