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明久side
12月20日金曜日
何度もあった試召戦争のおかげで僕は期末試験を過去最高の成績で終えた。
今日は終業式で授業や補習がないので軽い足取りで学校に登校していた。
学校に着き、下駄箱を開けると中に手紙が2通入っていた。僕は驚き、周りを見回して誰もいないことを確認し、手紙をポケットの中に入れた。
周りに同じクラスの人がいなくて良かった。いたとしたら今日で僕の命は終わっていただろうと思いながら僕は男子トイレの個室に入った。
僕はドキドキしながら手紙の差出人の名前を見た。
差出人はポニーテールがトレードマークの美波と僕らFクラスの紅一点の姫路さんからだった。
差出人の名前を見て僕は
明「美波も姫路さんも僕と同じクラスなんだから直接言ってくれればいいのに」
と呟きながらもやっぱり中身が気になるので美波からの手紙を開いた。
そこには女の子らしく可愛らしい字で
アキへ
ウチはアキのことが好きです。
もしよかったら12月24日の午後6時に駅の北口に来てくれませんか。
島田美波より
と書かれていた。
あまりに真っ直ぐな言葉に僕は顔を真っ赤にし、美波からの手紙をしまい姫路さんからの手紙を開いた。
そこにも女の子らしく可愛らしい字で
明久君へ
私は明久君のことが好きです。
もしよかったら12月24日の午後6時に駅の南口に来てくれませんか。
姫路瑞希より
と書かれていた。
2回目だし、予想していたとはいえあまりに真っ直ぐな言葉にやっぱり僕は顔を真っ赤にするのだった。
僕はこれからどんな顔をして2人と接すればいいんだろう。
そんなことを思いながらもう1度手紙を見た。2人の手紙には気になるところがあった。
直前に2人で話し合ったのだろう同じ日の同じ時間に別の場所に僕を呼び出していることだ。
これってもしかしてもしかすると2人は僕にどちらかを選ばせようとしてるってことだよね。
美波と姫路さんが好きか嫌いかと問われれば僕は迷わず好きだと答える。だけど美波と姫路さんのどちらの方が好きかと問われれば僕は迷う。美波は男勝りなところがあるけど時々見せる女の子っぽい仕草が可愛いし、姫路さんは可愛らしい顔をしていながら負けず嫌いでひたむきだ。
そんなことを考えているうちにさらに顔が真っ赤になった。
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