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今、初希は俺の腕の中にいる。
少し…震えてる…のか?
なぁ、なんで俺を見ないの?
こんなに好きなのに。
「初希?」
「…な、なに」
「照れてる?」
「別に」
「ほんとは?」
「照れてないってば!だいたいなんなの?なんで今あたしを抱きしめてんのよ?あたしが誰だか分かってんの?自分の立場をわきまえなさいよ!!!」
「へぇ、さっきと違って随分喋るじゃん?照れてるから。」
「だから!!照れてないの!!」
「じゃあなんで逃げない?」
なぁ、なんで逃げないんだよ初希?
逃げれるだろ?
俺を殴ってでも逃げろよ。
……スパァァァアン!!!
「いってぇ!!!!」
「あんたが悪い。」
「お前なぁ…」
「あんた何したかわかってんの?セクハラだけど?常務に言おうか?」
「へぇ…言えるんだ…。」
「……な、何よ!」
「一人暮らしの男の家に一人で上がっておいてセクハラされましたーって、上司が聞く耳もつかな?俺、結構イケメンだからさぁ、みんなどうせ振られた腹いせだろってぐらいにしか思わないんじゃない?」
「そんなこと…!!ない…と…思うけど…。」
「はい、やめときな。無駄だよ。」
「…。」
ごめんな、抱き寄せても、いいか?
聞かないけど。
「……………!?!?」
「…顔、赤いけど?いい歳してキスぐらいで照れてんの?」
なぁ初希、俺を見ろよ。
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