矢吹の過去

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龍太が帰宅してから、俺と悠真もいつもの帰路についた。 そのあとに他のグルのやつらに襲われるでもなく、本当に何もなく家までついた。 明日の試合は絶対に喧嘩はできないな。 心に決めたところで家の前に着くと、玄関前に人影があるのを確認した。 真「チッ… 奴等家まで来たのかよ…」 呆れながらも臨戦体勢に入る。 が、その期待は裏切られた。 「あ! 真司くん! 大丈夫だったの!?」 真「んだよ、由紀ちゃんかよ… 驚かせんなって。」 由「ごめんごめん。」 真「で、なんの用?」 由「うん…。 あのね、」 真「あ、明日だろ。 明日は桐谷高校だから、応援きてくれよ。」 由「あ、うん。 ありがと…。」 真「でも、お前みたいのが来ると高校生にナンパされっか。」 由「どういうことよー。」 真「チッ… お前みたいな可愛い子が行くと襲われるっつってんの。 じゃあな。 気を付けろよ。」 由「ちょっ… 真司くん!」 俺は恥ずかしさから素早く家のなかに入った。 自分で暴走して言ったのに恥ずかしくなるのは、ガキだった証拠だ。 由「言いたいこと… 違うのに…」
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