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月の光の他に照らすものがない闇の中の森林。
眩いばかりの光で染まった昼の光景とは打って変って
なんともいえない不安を闇は作り出していた…
一寸先は闇ということわざがあるが
そんな言葉に似合う文字通りの状況であったことは間違いない。
そんな闇の中に一つ生命の気配が感じられていた
いや、その表現では過小表現すぎるだろうか
少なくとも2.0メートルは超える体に対して扱う表現ではないことは確かだ。
それでも彼らからすればそれほど巨体ではない部類である。
少なくとも大いなる力と魔力、知性を持つ竜からすればだ。
真っ暗闇の世界に雨粒の音が混じりだした。
鱗に覆われている分幾分かマシなのだろうか最初はそれほど気にする素振りは無かった。
だが彼の人間よりも非常に優れた視覚をもってしてもおそらくは
本格的に雨が降られたりでもしたらさすがに鬱々しく感じるのだろうか
竜はその重たい全身動かしてを全速力で駆けていた。
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