4人が本棚に入れています
本棚に追加
si
私を苦しめ続ける非道な神霊だ。
絶望を齎し、希望を搾取する暴君だ。
それでも私が神を信じたのは、哀しみの晴れる日を待ち望んでいたからだ。
しかし、私を独裁する者は、私の愛する人を救済しなかった。
私の信仰を弄び、私を蹂躙し続けた末、終には私の愛する人を見殺しにしたのだ。
私は愛を呪う、私は愛を怨む。
愛は私を裏切った。
心身深く仕えた私を裏切った。
苦しみ悶え、それでも一縷の望みに縋りたい私の心理を嘲笑った愛は、唯一私に不死を約束した。
私の願いを知っていながら、私の想いを知っていながら、死の淵に崩れ落ちていた私の愛しい女をただ眺め、死ぬのをただ待っていたのだ!
「無題」
最初のコメントを投稿しよう!