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俺達は今、とある少年の元に行くために人里離れた森を歩いている。
俺達と言っても、隣を歩いてる赤髪の相棒、カイトだけだがな。
そんな俺達はある人物の依頼でその少年を国立魔法学園に連れて行かなければならない。
しかし“あの少年”がこの話を本当に受けるのだろうか?
「キース、彼処じゃないか?」
俺が考え込んでいるとカイトが少し開けた場所にあるログハウスを見つけた。
「おう、多分あれだな」
人一人くらいが住める大きさで玄関から見て左手に畑がある、と依頼書に書いてあるので恐らく此処で間違い無いだろう。
「此処みたいだな?」
カイトが確認してきた、俺も地図と照らし合わせてもう一度確認する。
「ああ、ここだ。だがこんな所に貴族のボンボンが一人暮らしか………」
「だよなぁ、俺は勘弁だな。
てか煙突から煙出てるし中に居るだろ。さっさと話して連れて行ってやろうぜ」
カイトが言う通り、煙突から煙が出てる。
俺はドアの前に立って、一応ノックしてから声をかけてみる。
「傭兵ギルド、『聖竜の牙』から来た傭兵団ハウンドのキース・カルテマ及びカイト・ゴルチエと言う者だ!
此処に住まわれているのはリンク・フェルミナンド殿で相違無いだろうか?もしそうならある方の依頼で用があるのだが!」
すると中から「はーい、少々お待ち下さーい」と聞こえたので少しの間待っているとドアが開いた。
「こんな森の中に良くぞいらっしゃいました。立ち話も何なのでどうぞ中へ」
そう言って俺達を招き入れたのは透き通るような銀髪を腰まで伸ばした15、6歳くらいの幼さを残す少年だった。
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