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俺達は少年、恐らくリンク・フェルミナンド本人の後に続きログハウスの中へはいる。
簡素な内装だった、テーブルに椅子、キッチンの代わりであろう竈、そして奥に寝室があるのかドアがひとつ。
本当にこんな所に貴族の子供が?普通の子供でもこんな中に一人では参ってしまうぞ………
「すいません、椅子が足りないので奥から持ってきます」
俺が考え込んでいると、フェルミナンド少年はそう言い奥のドアに入って行った。
確かに椅子は二脚ある、二脚ということはやはり使用人が付いて来ているのか?それとも………
「おいキースまた難しい顔してんぞ、そんな顔ばっかしてたら老けちまうぜ?」
「ふむ……またやってしまったか……
この癖だけはどうも直らんな………」
『わぁぁあぁぁ!??』
俺達がそんな話をしていると、フェルミナンド少年がいる奥の部屋から少年の叫び声と何かが崩れる音がした。
何事かと思い急いでドアをあけると、大量の本本本、これが先ほどの崩れた音の原因だろう。
その本の山の中から手が出ている。
「お~い………一応聞くけど生きてるかぁ…?」
『あはは……生きてはいるんですけど……
出られないんで助けて頂けませんか……?』
カイトが声をかけるとくぐもった返事と救助の要請がきた。
数分かけて漸く少年を引っ張り出した俺達は新たな椅子を持ってきた少年と元の部屋に戻った。
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