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彼女は十年前の帝国との戦争を弱冠16歳という年齢で竜国の若将軍(現在行方不明)と共に3ヶ月で終戦にまで持ち込んだ。
そんな英雄とまで呼ばれた女傑だ、考えが無いわけでは無いだろう。
その証拠にリンクが渋るだろうと予想して俺達に手紙を預けている。
納得のいっていないリンクに俺はクラディアからの手紙を渡す。
「リンク、この手紙は国立魔法学園の現学園長クラディア・フォークライン嬢からの手紙だ。
彼女はこれを渡せば君は必ず学園に来るとまで言っている
出来れば読んでもらえるか?」
「クラン姉様からの手紙ですか?」
「んぁ?なんだ?お前、姉御と知り合いか?」
カイト………
俺も気にはなったが話が進まんから今聞かなくても良いだろう……
まあいい、これからの手紙の内容にも関係してきそうだからな。
「ええ、十年前によく遊んで貰っていましたから……
それよりも姉御ってなんですか?」
「それはだな、中等学生のときに俺達が姉御のパシりだったからだ。
あの人の戦闘センスは群を抜いてたからなぁ、俺が弟子入りしたいって言ったらなし崩し的にな………」
カイトはあの頃のことを思い出したのか身震いしている、俺も冷や汗が止まらん…………
「そ、そうなんですか………」
リンクも俺達の様子を見て少し引いている。
「とりあえず話を戻そう……
リンク読んでくれ」
「あ、はい……え~
ーーーーーーーー
リンク久しぶりね。
この手紙が届いてるって事は私の後輩二人はちゃんと仕事してるってことね。
まぁ、そんな事より貴方にはなんとしてでもうちの学園に来てもらうわ。
でも、恐らくまだ魔法使えないでしょう?
“また魔法が使えるようになって帰って来ます”なんて手紙置いて行って………………
アイネ、ずっと貴方のこと待ってるわよ?
だから私が一肌脱いであげました!
と、言っても友達が貴方は治せるって豪語してるからなんだけどね。
まぁ、彼女の実積なら確実に貴方を治せるって言い切れるわ。
リンク、意地なんて張るんじゃないわよ?
今すぐ帰ってきなさい!
ーーーーーーーーーー
…………成る程…………」
あの人は相変わらずのようだな……
しかし、彼女がそこまで言い切る何かがその女性にはあるのだろう。
リンクもそれを感じたのか先程までの強張った雰囲気が全く無い。
「「決まりだな」」
俺とカイトの声が重なった。
リンクもこちらを見て頷いた。
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