蝶、時溯りけり

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「ごめんね、私のせいで死んでしまったんだよね、朔」 蒼い石のはめ込まれた銀色の指輪を月明かりに照らし、呟く少女。 彼女の名は月黄泉 色華(つきよみ いろは)。 周りから見ると彼女は異質だった。 いや、恐怖の対象と言ったほうが正しいのかもしれない。 彼女は、人とは違う能力を持っていた。 彼女は、『魔術』、を使えたのだ。 彼女は、裏切りと悲しみの末、己の感情を消した。 今の綺麗な笑顔も、全て、偽りのもの。 「もう____いいや」 彼女はそう呟くと、手元にあった大小の刀を持ち、5階の窓から飛び降りた。
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