970人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
「早く行くぞ、立て」
暁は行動を中断すると即座に立って僕を誘導しようとする
「えー、いいよ。別にこのままで、そんなに痛くないし」
「ちっ…」
あ、舌打ちとかいけないんだ
暁は眉を寄せた嫌そうな顔で僕の方の席まで回ってくる
がっ
腹下に筋肉の付いた腕が入ってくる
そのまま、視界が回転して浮遊感に襲われる
まるで米俵のようにあっさりと担がれてしまった
…もうちょっと人扱いして欲しかったかな?
「うわぁ高い高い」
目線が高くなり新しく見える光景を楽しむ
『きゃああああああああああああああ!!!!!!!』
僕の慣れた反応とは相対した歓声にも近い悲鳴
「もっと飯食え。御前体重が軽すぎる、どうせ飯でもサボってんだろ」
…別にサボってないもん
「…気遣ってくれるのは嬉しいけど、もっとこうロマンチックなのは無いの?
暁は僕のお母さん?」
「御前みたいな子供は要らん」
酷いなぁ、特にすることも無く足をブラブラと揺らしていると
鬱陶しい、とお腹を持つ腕に力が入れられる
ぐっ…苦しい
キュ
蛇口から溢れ出す冷水、それを見た暁は珍しく口角を少し上げる
「…覚悟しろよ?」
_______ここから暁に酷い水攻めをされるのは別のお話
最初のコメントを投稿しよう!