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「如月様?」
私の声に真っ緑の物体はピクリ、と反応をし此方を向く
真正面から見ても緑の草がプランと顔を覆い隠していて実質見えるのは靴ぐらいで
人間かどうかも微妙な存在なのだが
分かる
あの草の被さり程度を計算し除去したとすると、身長152.3㎝
唯一出ている靴のサイズも22.5㎝
遠くから香ってくる微かな鼻をくすぐる香りも全く一緒
彼は間違いなく ”如月宵” 本人である
「…僕の事分かるの?」
ほら、この可愛らしい声も如月様そのものだ
「はい、勿論です」
そう言うと、如月様はすごーい、と拍手をくださる
それにありがとうございます、と深々と一礼する
仮にも如月様の親衛隊長、こんな事容易い
「ねえ、これ何とかしてくれない?」
如月様は鬱陶しげに目の前にぶら下がっている草の塊を掴む
「畏まりました」
少し、骨が折れそうだ
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