混ぜろ、危険

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◆ 「今日の家庭科は調理実習をしますよー  各自メニューに従って動いてください」 少し天然が入った先生が手をパン、と叩き生徒達に呼びかける ええ…と、カレーライスね メニューを手に取り、前まで材料を揃えに行く 調理実習はいっつも決まって暁が全てやっていてくれた 任せた訳でもないけど 『絶対に触んな、俺に近寄んな』 の一点張りで先生が困ってるのも無視して問答無用でずっと座らされてた 「如月様は座ってていいですよ?」 「いいよ、僕結構料理得意だし…ね?」 「ひゃ、ひゃい!」 同じ班の人にも気を使われるけど、全部断った あんまり嘗めないでよ、一人でできる そう半ば自分に言い聞かせ、野菜を手に取り怪我をしないよう慎重に包丁で… サク 「痛っ」 「如月君、座ってて」 僕の指から垂れる血を見た真面目君に絆創膏を貰うと座る事になった 真面目君から放たれる無言の圧力に負けてしまった でも、大人しく座っては居られなかった 少し経って、視界の端にこれから煮詰めるであろう野菜たちが目に入った 周りを見るに班の3人は違う作業に夢中で此方には居ない 「ふふっ…」 僕の腕の振るいどころでしょ こっそり歩み寄りコンロの火を付ける ぼっ …故障かな、少し火が弱い気がする 『油』 良いもの発見!! 火に油を注ぐと火は強くなるんだよね? せーのっ 『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!?』 爆発した火が家庭科室を襲った
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