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「わたしの覚えている記憶は疎らです。
誰かから『――のクセに!!』とてもヒドい事を言われたような気がします。
それからどこかに落ちる記憶もあります」
8才になったばかりの少女は頭に包帯を巻き痛ましい姿でベッドに寝かされて、淡々と語っていた。
少女の名前はリリィ。
リリィの語り口は、どこか感情がこもっていなかった。
それはリリィ自身がまだ夢心地だからかもしれない。
何せ、枕元の真横にいるのはぬいぐるみなようなウサギなのだ。
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