リリィとウサギのオジサン

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痛いとか苦しいは、リリィの中にはなかった。 あるといえば、何かが体中に詰まっている感じがする。 気を許したら、その詰まったなにかが溢れでてしまいそうで、リリィは気が抜けなかった。 (私の居場所っていわれてもなぁ……) 全身全霊をかけて、誰かから、何かから、自分が憎まれていた記憶が、少女の体を占めていた。 (憎まれてまで……どうして生きなければならないの……) リリィの瞳から涙が伝いおちた。
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