185人が本棚に入れています
本棚に追加
痛いとか苦しいは、リリィの中にはなかった。
あるといえば、何かが体中に詰まっている感じがする。
気を許したら、その詰まったなにかが溢れでてしまいそうで、リリィは気が抜けなかった。
(私の居場所っていわれてもなぁ……)
全身全霊をかけて、誰かから、何かから、自分が憎まれていた記憶が、少女の体を占めていた。
(憎まれてまで……どうして生きなければならないの……)
リリィの瞳から涙が伝いおちた。
最初のコメントを投稿しよう!