3916人が本棚に入れています
本棚に追加
/293ページ
ドクンとこんな時なのに心臓が騒ぎ出す。
見るだけで、こんなに切ない。
「先生……」
先生もいつもとあんまり変わらないジャージ姿で、横に佐村先生の姿はない。
「何、コレ?」
全く意味がわからない、と言った表情。
家の中に目を向けると
みのりとまっちゃんは、リビングのソファーの横で、何やら言い争っていたかと思うと、
しばらくして、みのりが先生の胸に飛び込んで、抱き合っているのが見えた。
わっ。
これ、見ちゃダメだよね。
私は玄関から外に出てそーっとドアを閉めた。
今は部屋には、戻れない。
自分の家なのに、締め出された気分だ。
「なに?俺、全然訳が分からないんですけど……」
先生も同じく、呆然と立ち尽くしている。
最初のコメントを投稿しよう!