はじまりは突然に

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「うそ。まじ!?」 私は、もう一度頷いた。 「そういや、よっちゃんの家、高源寺って言ってたよね。 もしかして狙った?」 私は大きく首を振って否定した。 「私もさ、先生の家の近所かもって、部屋が決まった時はチラッと思ったんだけどね。 今朝。隣の人と家を出るのが一緒になって、 横見たらよっちゃんで、もうびっくりして」 あの時の驚きがまた蘇ってくる。 本当に、腰を抜かすほど驚くって、このことだ。 「うそ!それまで知らなかったの?」 「うん。挨拶行っても留守だったし」 「あ、だから今日、二人とも様子がおかしかったんだ。 麻希もよっちゃん見ても、ウキウキしてなかったし。 よっちゃんも、微妙に変だったし。 それに二人とも今日、遅刻すれすれだったよね?」 「初日なのに、思いっきり寝坊したの。 遅刻だと思って家を出たとこで、ばったり会ったから、 車で送ってもらった」 「え、一緒に登校してきたってこと? ラブラブで?」 「もう全然違うよ。よっちゃんも遅刻だったからお情けで」 「へぇ。なんかいい感じなんじゃないー?」 みのりはニヤリと意味深な笑い方をした。
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