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昼休み、みのりと一緒にご飯を食べていると、同じクラスでわりと仲のいい友達の由美ちゃんが私に話しかけてきた。
ちょうど昨日の夜、
先生が家に来たことをみのりに話そうと思ってた時だった。
「ね、麻希ちゃん。
友達が麻希ちゃんのこと紹介してほしいっていうんだけどさ。
麻希ちゃん彼氏とかいる?」
いきなり本題のこの話題。
すごく驚いた。
「え、私?みのりじゃなく?」
私とみのりじゃ、
みのりの方が断然明るくて、華やかな雰囲気で、モテるんだけど。
「うん。麻希ちゃん指名」
そんな変わった人、いるんだ?
「すごくびっくりした。彼氏なんていないよ」
ほっとしたように、由美ちゃんの表情が柔らかくなった。
横で聞いてたみのりは、
「誰、誰ー?知ってる人かな?」
と話に加わる。
「あー。
サッカー部の高田っていうんだけど知ってる?
私同じ中学出身でさ、結構仲いいんだけど、こないだ話してたらそんなこと言ってて。また最近頼まれちゃって」
タカダくん?
知らない人……。
私は首を横に振った。
サッカー部の練習は、気付けばいつも目で追っていたけど、生徒には全く興味なかった。
「うそ!麻希、知らないの?」
みのりが大げさに驚いて、その驚き具合に、私が驚いた。
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