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「そこをどけ…フブキ」
「い~や…よ…」
雷鳴が辺り一帯を激しく打ち付ける
圧倒的な魔力を誇る強大な魔族…
天の化身とも言われる天駆ノ雷(アマカケノイカヅチ)が目の前で笑う女…フブキを見下ろす
フブキは全身ボロボロの状態で立っているのがやっとという状態であった
「命を散らすつもりか…」
天駆ノ雷が静かにフブキの問いかける
その光景を不安そうに見つめる二つの影
天駆ノ雷が率いる罪狩りのメンバー
雷落(ライラ)とルアである
「怖いわね…そんなに睨まないでよ…天駆(テンク)…」
フブキは痛む身体を奮い起こし立ち上がる
「…」
天駆ノ雷は一度目を強く閉じた後、再び目を開く
「その者は自然の摂理を壊しかねない…」
天駆ノ雷はフブキの後ろに横たわる竜に視線を向ける
竜は僅かに呼吸をしている
生きてはいるがかろうじてという状態であるのは明白であった
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