19人が本棚に入れています
本棚に追加
それから何ヵ月経ったでしょうか…
やっと外で遊ぶことを許されふらふら倉庫に行くとお兄さんが来てないか探してみました。
いつもタバコを隠していた場所を見ると、あの日のままで埃をかぶっていました。
それから毎日毎日同じ事を繰り返しますが変わることはありませんでした。
しばらくして、学校の帰りに自宅に向かってると、自宅の周りを様子伺ってキョロキョロしているお兄さんの姿を発見しました!
お兄さん!
やっと会えた(T_T)
なんで来なくなったの?
嫌いになったの?
寂しいじゃん!
思いっきり気持ちをぶつけました。
お兄さんからの言葉は意外なものでした…
ごめんな。
お兄ちゃんのお母さんが死んじゃって親父と妹がおかしくなって目が離せないんだ。
もう少ししたら遊んであげるから、オマエはちゃんと良い子にしてないと駄目だからな!
また来るから。
倉庫に置いてある空き缶に俺が来たとき分かるように小石入れとくからそれで少し我慢してくれと…。
それから2ヶ月ほどあと冬も近付き寒さの増した頃にお兄さんと遊べる日がやって来ました。
自分は毎日空き缶を確かめに行っていたのですぐに異変に気付きました。
タバコの匂いがしたのです。
そう…お兄さんの。
たった2ヶ月しか会わなかったのが嘘のようにお兄さんは痩せこけていました…
話しにくく横に座るとお兄さんの顔を見上げます。
お兄さんは笑顔で
久しぶり!
待たせたな(*^^*)
オマエ元気ないぞ!
遊んでやるからボールでも持って来いよ(笑)
お兄さんは少しも変わらず優しいお兄さんのままでした。
その日は遊ばなくて良いからお兄さんと一緒に居たいと伝え、横でずっとお兄さんの話を聞いていました。
ただこれだけで幸せでお兄さんの優しさが嬉しくて…
でもなんとなくもう会えない気がして…
お兄さんと別れ帰り際、父親が様子を見に来たのがわかり、焦りましたが父親は知らないフリをしてくれました。
それから数日…
お兄さんも倉庫には姿を現さなくなり、空き缶の小石も無くなりました。
その代わりに父親が何故か毎日帰りに迎えに来るのです。
不思議な感じもしていましたがそれが数日続くと子供の自分にはそれが普通になりました。
最初のコメントを投稿しよう!