「俺の」物語は始まる。

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たしか、主人公のエリオットの母親が王妃の子と自分の子を入れ替えたって罪の告白を教会の懺悔室でしたことによって王の子だってバレるんだよな。 そんでその見目が亡き王妃に生き写しってことで本物の王子として王宮に迎い入れられる。 緊張しながら通された王宮で父親である王と面会するのかと思いきや、夕方の晩餐まで待つように言われて、待機。 しかし落ち着かないエリオットは緊張をほぐすために庭を散策し、そこでヒーローであるジークフリートと出会う。 優しくて物腰の柔らかなジークフリートと短い会話をしたエリオットは、彼がこの国の王子なのだとおもい仲良くなれるかなと期待する。 が、晩餐の時に偽物の王子の婚約者として彼を紹介され、複雑な気持ちを持ったのだった。 平民の自分からすれば尊い存在の王子と仲良くしたいという気持ちは最初からあったし、父親に会ってみたいというそれだけで王宮に来たけれど…という、僅かな名前のない感情を胸に抱いた。 それが嫉妬だと、自覚するのは王子宮に住まいを移してからジークフリートがなににつけルマンディオを優先する姿を目の当たりにしたからだった。 他国の小国出身のジークフリートは祖国の為にこの国の王子と政略結婚をするためにやってきたのだという。 幼い時から輿入れし、努力し王の補佐を務めるほどになった彼を振り回すルマンディオは大国の王子らしく尊大でいつもジークフリートを困らせた。 それでもジークフリートは耐えて耐えて従っていた。 エリオットはそんな彼を助けたいとおもい、ふたりして我儘で意地悪なルマンディオに振り回されながらお互いを労い、短い時間でも寄り添えることを喜びと感じ、いつからかエリオットは彼への恋をゆっくりと確信していく。 それから――――― ―――ん?いや待て。 いまメチャクチャ重要な情報あったな? 「幼い時から輿入れし」って、つまり、もしかしたらもうルマンディオには婚約者がいるってことじゃないか? 確認しようそうしよう。 それにヒーローなら(表紙イラストで)顔分かってるし、なんなら名前まで知ってるとか最強のカードじゃん? そういえば出身国まで知ってるー! ルマンディオ断罪後の結婚式でジークフリートの祖国マヌルンカから二ヶ月かけて両親である国王夫妻もお祝いに来るんだっけ。 そんな遠い国との婚約の経緯は知らんケド、まぁ、なんか小国相手だしなんやかんやあったんじゃねぇかな?政略婚約だってことらしいし。 (他国の感覚が県単位になってるのは転生者だからかなー。) 、
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