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とにもかくにも本編スタート前だから今からやれることはなんでもやる精神で挑む。だって未来が解るってチートがあるのに断罪ギロチンコースを回避しないとかねーし。
ーチリンチリン
部屋に備え付けのベルを鳴らしてルマンディオ専属執事を呼びつける。
「お呼びでしょうかルマンディオ様」
「うん、あのさ聞きたいことがあるのだけど…」
…ど、そういえば自分の婚約者がいるのかどうか確認するのって、…おかしくないか?
記憶が飛んでる?急に?つい先日「ご乱心あそばした」って周りを騒がせたばかりなのに?
あー…一生修道院コースも嫌だあぁぁァ…
「えーっと、うんー…あのー…」
ええィ!ままよっ!
「ま、マヌルンカ王国について聞きたいのだけど、なにか知っているか?」
「マヌルンカ王国についてですか?えぇはい、上質な砂糖と塩それから希少な香辛料が主な輸出品であり冬のない国だと記憶しております。」
「へー…なんか『沖縄とか奄美諸島』みたいなとこだな。教えてくれてありがとう。それじゃお酒も有名なんじゃないの?」
前世知識では亜熱帯地域の県には泡盛とかあったような記憶があってつい口にした。まぁ、11歳じゃまだ飲めませんけどね!
「勉強不足なためお酒に関しては存じませんが、どこでそのことをお知りになったのですか?」
「えっあ、いや…」
しまった!考えなしに喋り過ぎたと後悔してももう遅い。なんとか胡麻化さないと…
「いや、なんとなく。あっ…そう、砂糖だ。砂糖があるなら酒が造れるんじゃないかと思ってね。」
甘酒でもそうだけど、麹菌が糖を分解する過程でアルコールが発生するというのは酒があるこっちの世界でも常識のはず。
苦し紛れに言い募って見れば執事のローレンは納得したように頷いた。
「なるほど。特産品から推測して他にも何かあるのではとお考えになるとは…ルマンディオ様は離宮に籠っている間もご自分を研鑽なさって素晴らしいですね。」
「はははは…そうかな。褒めてくれてありがとう。」
セーフっ!多分誤魔化せた!多分、この反応は大丈夫なやつだとおもいたい。
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