プロローグ

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いや、それは正確には孔だ。 黄金の孔が俺とフードの男の間に突如現れたのだった。 あまりの眩しさに目を抑える。 目を瞑る瞬間、僅かに見えたのは黄金の孔から漏れた黄金の光に浄化されたかのように掻き消されていく影。 そして聞こえるのは鈍い声。 それがフードの男の声だと気付くのには一瞬遅れた。 そして徐々に晴れていく光の先には既にフードの男も影もなかった。 張りつめていた緊張の糸がプツンと切れ、意識が少しづつ黒く閉ざされていく。 意識が失われつつ中、最後に見たのは黄金の長い髪の剣を持つ女の子の後ろ姿。 それが俺、天使<アマツカ>トシヤと彼女――――フィオラとの出会いであった。 俺は当時の事を振り返り、こう思う。 俺はあの日――――キセキに出会った、と。
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