* ⑮ *

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あの日、「嘘はついていません」と、きっぱり言われて、うん、確かに、嘘ではなかった訳だけど。 何て言っていいか…。 複雑な気持ちだった。 それからは、年度初めの忙しさもあり、話なんかする感じでもないまま、歓迎会の日を迎えた。 同僚の小島が、最初っから彼女を気に入っているのは分かっていたんだけど、 俺は、どういうわけか新入社員の井上さんに、気に入られてるみたいだった。 二次会もちょうど良い時間になり、お開きの流れになった時、 井上さんは、かなり酔っぱらった感じで、まだ帰りたくないというような事を言っていたけど、 家の方向を尋ねると、村上くんと同じだったから、無理矢理押し付けて送らせた。 .
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